どうして守りの意思決定をするの?企業とエラーの文化
みなさんこんにちは!
日頃不祥事に関する会見などを見ていても「その問題はこういった理由で私どもの責任ではありません」<`ヘ´>
みたいな責任回避のために言い訳をあらかじめ設定していたかのように見うけられることありますよね?
もちろん、リスク回避という観点から見れば必ずしも悪いことではないです。しかし、現在特に企業なんかでは何をするにつけても責任や非難への恐怖が渦巻いているようにみえます
という事で、本日はどうすれば守りの意思決定をうまく乗り越えていけるのかについて見ていきたいと思います!それでは行ってみよーーう!!
人間の認識力は不完全
まず手始めにすべての人が認識しておかなくてはいけないことは人間の認識力の限界についてです。
ここで一つアインシュタインに対して心理学者のヴェルトハイマ―が出した問題があるので考えてみてください!
Question: 自動車が丘を上り下りする。2マイル(上り1マイル、下り1マイル)の行程の時、全行程の平均時速を30マイルにするためには下りの1マイルを時速何マイルで走ればよいか、但し上りでは平均時速15マイル以上では走れないとする。
Answer: 平均時速30マイルで走行することは不可能である。
理由は、仮に上りの行程を時速15マイルでいくとしたら、行程を終えるのに4分かかるが平均時速30マイルを達成するには2マイルを4分で走破しなくてはいけないからです。
皆さんはどうでしたか?
筆者を含め計算をするまでそのことに気づいた人はあまりいないのではないでしょうか?(完全に引っかかったぜw)
ただ、この問題というのは我々の認識やリスク思考についてとても有用なことを示唆してくれています。
それは
1.我々は物事を認識するにあたってその物事を判断し得る完全な情報を持ってはいないという事。
計算もせずにこの問題が破綻していることを見抜くのは難しいですよね。
2.人間は正誤に関わらず理性的にリスクを取るべきであるという事。
上の問題を聞いた時、そこにはまず二つの選択肢が存在していました。それは、計算して答えを導いてみるというものとこの問題には解がないとすることです。
しかしほぼ100パーセントの人は何かしら計算してみようとしたのではないでしょうか。それはこの問題には解が存在しないという選択肢はリスクが大きすぎる、またそれ故そんな選択肢を吟味すらしなかった人も多いでしょう。
二つの選択肢において正解は、この問題には解がないとすることでした。しかし、人間としては計算するのが正しいのです。分からないから理性的に判断しておくべきであるのです。簡単に言えばそれは良い間違い。
正解に到達するために必要な間違いであったと言えるのです。
まとめ
人間の認識は限界があり間違える。だからこそ、その時その時で理性的にリスクを回避したり判断していく必要がある。そしてその過程では間違いが起こる可能性があるものの、それは正解に至るためのプロセスと認識すべきである。
日本企業のエラー文化
上記の通り、正解へのプロセスとしての誤りなら許容するのが企業活動においても結果的に成果につながり有益でしょう。しかし、現在の社会的にそれが難しいという現状もあります。
その現状の一つが日本で顕著なエラー文化です。
日本では良い誤りか悪い誤りかの判断なしに誤りはすべて悪とする環境が多いです。しかしそんな中では、失敗から学ぶという成長に大切な作業が育ちません。
さらに悪いのは誤りに対する恐怖感を増大させてしまっているという事です。
そして、そのことが真実を隠し、言い訳をつくり、自分の意見を控える、などといった守りの意思決定を助長してしまうのです。
SNSの発達によりある一定のイメージが拘束に広がるといったこともまたそれを助長していますが、それは時代的な流れであって責任を求めるものではないでしょう。
SONYの創業者の一人である盛田さんは、新人の作業員を指導するとき、生産ラインを意図的に操作して必ずミスが発生するようにし、学ばせていったそうです。
これはまさに現在の日本社会に広く求められていることでは無いでしょうか。
人間リスクは回避したがるものです。しかしそれを認識し、みんなが間違いについて共同して責任を取れる、それを次へのステップとして昇華していけるシステムや文化。
これらがそろえば、守りの意思決定を改善できるし、結果的に同じ問題を防げるという意味でも大きくリスク回避に寄与していけるはずなのです。
失敗ばんざーーーーい!!(白目)
まとめ
日本のエラー文化は失敗やリスクに対する恐怖心を助長している。人間の不完全性を認め、誤りを昇華していく文化的な受け皿が必要だ。
お読みくださってありがとうございました!
筆者自身まだまだ勉強中の身ですので皆さんのおご意見やご指摘をいただきたいと思っています!よろしくお願いします!