NPOだって利益追求は構わない?!NPO経営の特徴と課題とは?

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皆さんこんにちは!

やはり三月には東日本大震災関連のニュースはよく聞きましたよね。筆者自身も一被災者としてとても印象的な出来事でした。

そして、当時を今振り返ってみると多くのボランティアの方が来てくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです。

筆者自身、ボランティアという言葉を聞くと真っ先にNPO法人が頭に浮かぶのですが、果たしてNPOといった非営利組織は経営の点において普通の営利企業とどのような違いがあるのでしょうか?

今回はその点について見ていきたいと思います。

それでは行ってみよー!

 

1. NPOとは?

NPOというのは、政府機関から独立して公益活動を行う民間非営利組織の総称であり、Non Profit Organization(非営利組織)の略語になります。

余談ですが、英語の訳だとすでに組織の意味がNPOには含まれていますが、日本では、NPO団体のように単に非営利を示す形容詞として用いられることも多いですよね。

それから、非営利組織と聞くと震災などの自然災害や貧困地域における援助活動に従事している姿が面に浮かぶことも少なくないと思いますが、日本においては古いお寺のような自治組織も一種のNPOと言われています。

2. 非営利ってどういう意味?

それでは、このNPOと呼ばれる組織は普通の企業とはどのような点において異なるのでしょうか?

もちろんこれついて真っ先に思いつくのは、非営利という概念ではないでしょうか。普通の企業は利益を上げるために活動していて、NPOは非営利だから利益を上げること(収益事業への従事)を目指していないわけですね。

 

………ちょっと待ったーーーー!!Σ(・ω・ノ)ノ!

 

実はこれはNPOに対して多くの人が抱いている一つの勘違いになります。

結論を先に言うと、NPOであっても利益を上げたり、対価をもらったりする収益事業を行っても問題はありません!!

えっ!! じゃあ、非営利って何なの?? (/ω\)ワカンナイヨ…

ご心配はいりませんきちんと説明していきますよー!

まず初めに、会社とはいったいどのようなものなのかについて説明していこうと思います。

会社は、基本的に二つの原則を持った法人と解釈されます。一つ目は、営利目的であること、二つ目は株主利益最大化であることです。

では営利目的とは何か?

簡単に言うと、経済活動で上げた利益をその組織の構成員(従業員・株主など)で分配することを目的とするということです。

つまり営利目的とは、経済的な利益を組織として追及するという意味ではなく、正しくは「利益を構成員で分配することを追求する」という意味になります。

この解釈をNPO法の第二条第二項第一号におけるNPOの定義「営利を目的としないものであること」に照らし合わせるとNPOにおいては利益を構成員で分配することはできないが、利益を上げる収益活動に従事することは可能であるという事になります

ただし、NPO活動における費用について構成員に金銭を渡す場合はこの限りではありません。

3. NPO経営の特徴とは?

 NPOには営利企業と比べてどのような経営の特徴が存在しいているでしょうか?

 ここでは主なものとして4つ紹介していきたいと思います。

 

ア) 資源調達と戦略・目標の統合

 NPOに限らずどんな活動においてもその活動の目標を達成するにはそれに足る資源の確保が必要になります。具体的には資金や人材になります。

しかし、NPは基本的に独立した存在でなくてはいけないため資源の調達には最新の注意を必要とします。

例えば、貧困地域に食糧を供給したいという目的のNPOが食糧を大量に廃棄している企業から資金提供を受けいると知ったらそのNPOに対する信用は損なわれてしまいます、また政府機関からの補助金に財源を依存してしまった場合政府の方針を加味する必要性が生まれNPOの自治性は失われてしまう事になります。

イ) ステークホルダー間における卓越した調整力とリーダーシップ

 NPOは政府や営利企業のようなトップダウン式の権力構造ではなく、多種・多様なステークホルダーが組織運営に参加し、比較的フラットな組織体制であるといえます。

そのため、様々な価値観が衝突しやすい状況にあり、構成員の間や組織外部との間など様々なところへ配慮した柔軟な意思決定や対立を乗り超える調整が必要不可欠になります。

ウ) ダブル・ボトムライン

 NPOは公的な利益の実現のために存在しているため、組織活動を評価する基準はどれだけの公的利益を実現することが出来るのかといった観点からみられる必要があります。

とは言え、NPOの経営者は組織を持続させていくためには財務的なリターンも同時に求めていかなくてはいけません。

これはとても難解なことにです、なぜなら財務的なリターンは目に見えて評価し易くほかの基準とも比較できますが、社会的な利益を測定したり定義することはとても困難で見えにくいものであるからです。

NPOの経営者はこうした見えにくいものを評価し財務的なリターンと調整を取っていくという高いハードルを乗り越える力が求められます。

エ) 課題の困難さ

NPOのミッションは時に、ある地域における地理的・文化的な背景と大きく関わる必要性があり、ミッションの実現は数段複雑で困難なものになります。

NPOの経営者はこのような問題の解決のために、広い視野を持った様々な課題の解決法の立案とある地域の背景を深く理解するローカルな視点が求められます。

 4. 筆者談

現在、NPOは日本に限らず世界中で活躍している。

しかしその中には、法律の抜け穴を利用して金儲けをしている組織や、職員をボランティアだと使い捨てのように扱っているい組織もあるという。

もちろん先にも書いたようにNPOだって財務的なリターンを求める必要はあるし、職員は基本ボランティアになる。

しかしそれら構造的な部分以前にNPOの根底には社会的公益の実現がある。NPOは社会的なミッションを実現する組織であって職員を擦り切れるまで使う組織でも、自分の懐を肥やすための組織でもない。

現段階の非営利という概念ではNPOを定義しきれていないのかもしれない。

今後、自然災害は温暖化の影響で増加・深刻化していくとされ、NPOの重要性は増していくだろう。

NPOの資金出口の明確化や各組織の自治性をなるべく確保したうえでの監査システムの構築など、NPOが社会的ミッションを追及していくものとしてあり続けられるよう解決していかなくてはいけない課題は山積している。

 

ここまでお読みくださりありがとうございました!

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