イギリスEU離脱まであと一年!!ブレグジッドの予想される影響とは?
皆さんこんにちは!
イギリス国民投票の結果を受けて決定されたイギリスのEU離脱(ブレグジット)まであと一年となっています。
きっとEU離脱したら社会への影響はいっぱい出てくるんだろうなと思うのですが、
じゃあ具体的に何がおこるの?
と聞かれると、( ゚Д゚)ワカンナイヨ って感じでした。
という事で今回は、一年後に控えたブレグジットの影響についてみていきたいとおもいます。それではレッツゴー!!
1. ブレグジット決定の歴史
ブレグジットの影響を見ていく前にまずはどういった経緯でイギリスのEU離脱が決まったのかについて見ておきましょう。
ア) EU加盟
イギリスがEUの仲間入りをしたのは今から45年前の1973年になります。しかしこの時はまだEUではなくその前身となるEEC(欧州経済共同体)への加盟でした。
ちなみに、EECという団体が設立されたのは1957年であり、イギリスがEECへの加盟が認められたのは三度目の申請でした。初めからイギリスはEUと深い関係を持っていたとは言えないのかもしれませんね。
イ) 一回目の離脱問題(1975年国民投票)
EECに加盟していたイギリスですが1973年に世界的にある問題が発生します。それは第四次中東戦争の勃発です。
この戦争が大きな影響を与えた理由は、アラブ石油輸出国機構(OPEC)の中心国であるイスラエルに対して石油禁輸措置が決定されたことと、それを引き金としたOPECの石油価格引き上げにあります。
これらの理由によりいわゆるオイルショックが引き起こされ、欧州全体の経済が停滞します。そして、欧州全体の経済が停滞すると、もともと国内に存在していたEECのような欧州統合に対する反対意見(欧州懐疑派)が噴出し、これを受けてイギリスは1975年にEECに残留するかどうかについての国民投票を行いました。
この時の結果は残留派が過半数を取りイギリスはEECに残留しました。
ウ)二回目の離脱問題(2016年の国民投票)
EU離脱に対する国民投票が行われたのは2016年のことであり、皆さんも記憶に新しいのではないでしょうか。
この国民投票のきっかけになったのは何かと聞かれるとはっきりこれだと言い切るのは難しいです。なぜなら国内にEU離脱への国民投票を求める声が徐々に醸成された結果、国民投票が行われたという見方が出来るからです。
しかしこれでは分かりにくすぎると思うので具体的にいくつかあげておくと、イギリスのEUにおける発言権の弱体化やEUへの金銭的負担、移民問題の深刻化、旧来からの欧州懐疑派による運動、などが挙げられるのではないでしょうか。
この国民投票の結果は、皆さんもご存知の通り離脱派が若干残留派を上回り、イギリスのEU離脱が決定されました。
2. ブレグジットの影響とは?
それではここからは、具体的にイギリスのEU離脱に伴う影響について見ていきましょう。
ア)為替への影響
ブレグジットの影響についてまず考えられるのは為替への影響です。
EUを離脱するともちろんイギリスの通貨であるポンドの価値は低下します。これを日本の通貨円と比較すると、円高・ポンド安となります。
円高・ポンド安になると日本からの輸出品は割高になりますので日本の輸出は減少する可能性があります。
また為替への影響は貿易だけではなく投資などのほかの経済活動にも影響があります。
イ) 多国籍企業へのへの影響
世界中の様々な国で経済活動を行う多国籍企業の中には、ビジネスの拠点や足がかりとしてイギリスにEU圏における本拠地を構える企業も少なくありません。
しかし、今回イギリスのEU離脱における一つの争点としてイギリスがパスポート権を失うことが挙げられています。
パスポート権とは、企業が経済活動をEU加盟国内で行う場合には各国のライセンスをいちいちとる必要はないというものです。
つまりは、ブレグジットによりイギリスがパスポート権を失うという事になれば、企業としてはイギリス国外に拠点を移すか、または子会社を設立するかの必要が出てくるのです。
国外に拠点を移すとなれば企業にはそれなりのお金が必要になりますし、かといって子会社設立にはその後の運営費が必要になるわけですので、企業としては頭の痛い問題となりそうです。(/・ω・)/ガンバレ!
加えて、これはイギリス国内から国外へと企業の流出につながる可能性があるわけですので、イギリス国内の経済や雇用にも大きな影響が出てくると予想されます。
ウ)治安・安全への影響
先程、イギリスのパスポート権がなくなることについての影響を書いたわけですが、EU圏において移動やライセンス等の自由があるのは経済活動には止まりません。
人や物についてもEU域内では自由な移動が可能になっています。故に域内の移動に関しては出入国の審査がありません。
これは一見危なそうにも見えますが、これを実現していくための対策としてEU全体ではEU加盟国内における警察協力と刑事司法協力が強化されています。
例えば、一般的に警察活動は一つの国の中でしか行う事ができません。故に、仮に犯罪者が国外に逃亡した場合、その国の警察はその逃げたと考えられる国に対して捜査協力や犯人の引き渡しを請求しなくてはいけません。
しかしこの時、この請求が必ず受け入れられるわけではありません。詳しくは書きませんが、犯人の引き渡しなどにはクリアしなくてはいけない条件がいくつかあり、それを満たせない場合犯人の引き渡しや捜査協力が行われないことがあります。
EU加盟国ではこうした手続きによって捜査が阻害されないように、事件が起きた国の警察機関だけではなく、EU全体として捜査や警察活動に協力する仕組みが作られているのです。
イギリスがEUを離脱した場合、こういったEU全体で捜査協力を得られなかったり、国外逃亡した犯人を逃したり、テロなどの凶悪犯罪に対する情報収集に遅れが生じるなどと言ったことも考えられ、国としての安全性や治安の維持に影響が出てくる可能性があります。
3. 筆者談
さて、ここまでイギリスのEU離脱における基本的な影響について見てきたわけではあるが、筆者自身調べてみて強く感じたことは悪い影響がどうも多く目についたという事である。
しかし、EU加盟国では難民を受け入れざるを得ないという実情がある。それを離脱により拒否することが出来れば国内の公共福祉や雇用の安定性は良くなる可能性があるのもまた事実である。悪い面もあればブレグジットが良い影響を出す可能性だって存在しているのだ。
もちろん筆者は悪いことだけではなく、いい面だってあるからそこも見なきゃダメでしょなんて言うつもりはない。
むしろ逆だ、筆者はこのように悪い影響について多くの記事や論評があるのはとても良いことだと思う。
正直、どれだけの検証をしようがブレグジットの影響がイギリスまたは世界の経済において良いものになるのか、はたまた悲劇的な結末となるかなど知る由がない。
出たとこ勝負でしかないのだ。
リーマンブラザーズなんてつぶれるわけがないと本気で言っていた人は世界で五万といただろう。日本でもアメリカ産オレンジの輸入自由化において国内の農家が打撃を受けると大声で政治家は主張していたわけだが、結果は国内のオレンジやミカンは品種の多様化や品質の向上が引き起こされ市場規模自体が拡大したではないか。
未来の見える人など存在はしない。人間に出来ることはせいぜいそれぞれの仮定・検証に基づき未来を予想し、結果論的に物事を批評することである。
しかしだからこそ、ブレグジットにおいて大事なのはそれが国民投票の結果だということなのだ。
分からないのであれば、なるべく多くの人の仮定に乗るべきである。そして現在離脱が良いという仮定にイギリスの国民が乗ったのであれば、できる限り多種多様な仮説と検証を根気強くすることで来るべき結果に備える事が重要だ。
これは未来の問題ではなく現在の問題である。
『ブレグジットまであと一年、この一年がこの先のイギリスの運命を 決めるのかもしれない。』それが筆者の仮定である。
イギリスの人々にとって良いものになればと心から願う。