シリア空爆は何をもたらしたのか?化学兵器の基本情報を簡単にまとめてみた!!

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皆さんこんにちは

 トランプ米大統領は13日午後9時のテレビ演説で、シリアでアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、同政権軍の化学兵器関連施設への攻撃命令を下し、英仏との共同で攻撃は遂行されました。

これに関しては

本当にシリアの化学兵器なのか?

アメリカの攻撃は正当化されるものなのか?

などの非常にデリケートな問題が付随しています。筆者はこれらの問題についてはいまだはっきりとした主張があるわけではありませんが、最低限の知識として化学兵器がどういうものなのかについては皆さんとシェアしておきたいと思いました。

という事で今回は化学兵器についてみていきましょう。

 

化学兵器とは?

定義

化学兵器(かがくへいき)とは、毒ガスなどの毒性化学物質により、人や動植物に対して被害を与えるため使われる兵器のこと。化学兵器禁止条約では、毒性化学物質の前駆物質や、それを放出する弾薬・装置も含むものとしている。リシン細菌毒素などの生物由来の毒性物質を用いる場合は、化学兵器ではなく生物兵器に分類されることが多い。

引用:wikipedia

 つまりは化学兵器とは化学物質を用いた兵器と解釈することができるようですね。

 

種類

化学兵器は主に致死性非致死性に分類されることがある。(非致死性と呼ばれていても、文字通りに死亡の危険がないわけではない。)

 

〈致死性〉

  1. 血液剤…細胞内呼吸を阻害することによって致死させる。ex)シアン化物
  2. 糜爛剤(びらんざい)…皮膚や呼吸器をただれさせる。ex)ルイサイト
  3. 神経剤…神経伝達物質であるアセチルコリンを分解する酵素であるアセチルコリンエステラーゼの働きを阻害することにより神経伝達を阻害する。ex)サリン
  4. 窒息剤…呼吸器系に作用して喉や気管支を刺激し、肺水腫などの障害を起こさせて窒息死させる。ex)塩素ガス

 〈非致死性〉

  1. 嘔吐剤…気道や眼を強く刺激することで激しい制御不能のくしゃみ、嘔吐、不快感を引き起こす 。ex)アダムサイト
  2. 催涙剤…皮膚や粘膜に付着した場合に不快な刺激や痛みを与え、咳・落涙・嘔吐などの症状を引き起こす。ex) クロロアセトフェノン
  3. 無力化剤…一時的に生理的または精神的な影響、あるいは両者を発生させ組織的な行動をできなくする。幻覚症状を引き起こす。ex)Agent15

 

また、症状別の分け方以外にも、症状の出るスピードが早いか遅いかの観点により即効性遅効性の二種類に分けられることがある。

シリアで使われたとされる化学兵器は主にサリンや塩素系の毒物とされている。被害者は目が見えない、呼吸が出来ないといった症状を多く訴えている。

シリアの化学兵器使用問題をおさらい

 
2011年以降、シリアでアラウィ派のアサド政権とスンニ派の反体制派の武力対立が続いている。しかし戦局が泥沼化している中、英国とフランスが共同で「2012年8月以降、アサド政権が複数回にわたり化学兵器を使用している」という報告書を国連に提出した。
2013年4月、アメリカの情報機関もアサド政権が化学兵器を使用したとの見解を示し、それまで軍事介入に消極的だったオバマ政権もシリアに対する軍事行動を示唆する。これに英国やフランスも同調したが、シリアと友好関係にあるロシアは確たる証拠がないとして、米英仏を批判。アサド政権も化学兵器保有は認めたものの、政府軍の関与については全面否定し、サリン使用は反体制派によるものと反論。

その後、国連調査団が実態調査を行い、化学兵器が使用されたことを確認した。米政府も独自の調査を行い、アサド政権による化学兵器の使用報告書を公表した。しかし、アメリカの世論・議会は軍事介入に消極的で、英国でも議会が武力行使を否決している。

大国の足並みがそろわない中、ロシアがシリアの化学兵器を国際的な管理のもとで廃棄していくことを提案。合わせてシリアが化学兵器禁止条約に加盟することも提案した。これにアメリカも大枠で合意。国連安保理もシリアに化学兵器廃棄を求める決議を全会一致で採択した。
しかし、残念ながらその後もシリア国内で化学兵器の使用が報告されている。

シリア空爆は何をもたらすのか?

 トランプ米大統領は13日夜、米国、英国、フランスが共同でシリアの化学兵器関連施設への空爆を実施したと発表した。しかしこの空爆は世界に、特にシリアに何をもたらすのであろうか。

 

確かに、化学兵器の使用は容認できるものではなく即刻辞めさせなくてはいけない。化学兵器使用により呼吸障害を患っている人の半数は子供たちだともいわれている。こんな現状は何が何でも解決しなくてはいけない。

ただ、その方法が空爆なのだろうか?

 

一部報道によると今回の空爆により少なくとも市民43人が死亡し数百人が負傷したとされている。どうして化学兵器をやめさせるのに 何の罪もない市民を殺してしまうのか?アメリカは空爆しても市民はだれ一人死なないとでも思っていたのか?

 

そんな馬鹿じゃないだろう。つまりは、アメリカは市民が死ぬ可能性も考慮したうえでそれでも空爆は必要だと判断したという事なのだろう。

もちろん歴史的に見ればそういう事はたくさんある、なにかを守るためにかけがえのない命を犠牲にした人たち、犠牲になった人たちはたくさんいる。その上に今の我々の生活がある。

 

しかし、今回の空爆は何の罪もない人たちの命を奪うに値すると言える成果が何か出たのか?トランプ大統領ツイッターで「Mission accomplished(任務完了)!!」なんてつぶやいていたが、本当にわけが分からない。何のために攻撃したのか?今回空爆したのは一部の化学工場だけだ、今後もシリア国内で化学兵器が使われ続ける可能性は高い。

 

これはゲームの中のお話ではない、シリアの人たちもそれぞれ大切な家族がいて、生活がある。何の成果もだしてないくせにゲームをクリアした子供のようにはしゃいでいる大統領を受け入れることは出来ない。

シリアの化学兵器問題だけではなく、北朝鮮のミサイル問題にも同じことがいえるが、解決策は常に緻密な計画と客観的な議論を尽くした末に効果的と判断された物でなければならない。

 

今回のシリア空爆は一体何をもたらしたのか?

筆者にはそれが分からない。

 

ここまでお読みくださってありがとうございました。

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