『新賢明なる投資家』備忘録⑮第14章(防衛的投資家の株式選択)
皆さんこんにちは!
この記事は『新賢明なる投資家』第14章(防衛的投資家の株式選択)の備忘録になります。
備忘録①は以下よりどうぞ!
防衛的投資家へ二つ選択肢
グレアムさんは第14章において、防衛的投資家が株式を選択するにあたり、二つの選択肢があると述べています。
主要銘柄を網羅する株式選択
この選択方式では、ダウ平均採用銘柄(または、それに類する銘柄)からポートフォリオを構築することになるので市場の恩恵を漏れなく享受することが出来ます。現代におけるインデックスファンドのような考え方になりますね。インデックスファンドはコストの面でも非常に優秀なので、賢明なる投資家にとってはポートフォリオの核として利用するのが重要になるでしょう。
しかし、
一方では個々の企業単体で見た場合には、株価が割高だったり、経営状態が芳しくなかったりといった、マイナス要因を含む銘柄をポートフォリオに含める必要性が出てくると言う面も忘れてはなりません。
安定しており防衛的な投資家には有効ですが、これだけでお金持ちになる事はできないでしょう。
計量的基準による株式選択
この株式選択においては二つの基準が重視されます。一つ目は過去の業績と現在の財務状況、二つ目は株価に対する収益や資産の関係に関する基準です。
第13章においては、この二つの基準を確認するための統計的な指針を示してくれていました。復習がてらもう一度見ておきましょう。
①適切な規模
②財務状況が十分に良い
③過去最低20年間、継続的に配当がある
④過去10年間、赤字決算がない
⑤一株当たり利益が、10年間で最低三分の一以上伸びている
⑥株価が純資産価値の1.5倍以下
⑦株価が過去三年の平均収益の15倍以下 (P99)
二つの分析見通し
グレアムさんは、証券分析をするにあたって将来の見通しには二つの態度が存在していると述べています。
予測(予想)
予測に重点を置くアナリストは、その企業が先々何を達成するか、特に収益の著しい生長が続くかどうかを正確に予想することに情熱を傾ける。(P139)
これは、企業の将来について重点をおいて証券分析をする場合です。業界のポテンシャルや、過去の成長などの様々な要素によって、企業が将来において今よりも価値の高い企業になっていることを確認しようとするのです。
そのため、
もしある企業の長期予想が抜群に良いものであった場合には、現時点の株価が割高であろうとも、市場のタイミング関係なく購入するべきであるという事になります。
グレアムさんは、本文中において時折大幅な下落を見せるのにもかかわらず、一貫して買われてきた航空輸送株を例として挙げています。
防衛
防衛重視のアナリストは常に検討時の株価に重点を置く、彼らにとって重要なのは、現在価値が市場価値を大幅に上回っていることだ。(P139)
予測に基づく証券分析が、その企業の質的な点を重視するのに対して、防衛的な証券分析においては、その企業の財務状況や収益などの計測可能な量的な基準を重視することになります。
もし、分析の結果企業銘柄の現在価値が市場価値を大きく上回っているのであれば、仮に将来において企業の成長が鈍化しても、市場価値と企業の現在価値との間のギャップが緩衝材の役割を果たしてくれることになる。
分散投資をする意味は?
本文中では、分散投資に対する一般的な批判についても触れています。
分散投資によって、せっかくの大きな利益を上げる機会を失ってしまうのではないか?
このような批判は、昔から長い間議論されてきたものであり、現在においても今だ反対意見もあります。
本文では、ほとんどの投資家が正しく銘柄の価値を把握出来ない事を理由に、分散投資によって市場にそのまま乗っかる事を推奨しています。
これは、世界最高の投資家の一人であるウォーレン・バフェットの言葉を見てみても正しいように思えます。
投資に興味がある人ならば一度は聞いたこともあるのではないでしょうか。
この言葉が示すように分散投資が収益を下げる可能性を否定することはできませんが、この言葉の重要な部分は、自分で何をやっているのかわかっているものにとってというところです。
果たして、あなたはバフェットのようにその企業と心中するくらいの気持ちで株式を保有することが出来るのでしょうか。企業の価値を信頼できるくらい賢い投資家であると言えるのでしょうか。
おそらくほとんどの投資家はそのようなことはないでしょう。
だからこそ、
一般大衆投資家は分散投資を行う事で、収益よりも自己の資金の防衛に重点を置くべきでなのです。
バフェットはこのような言葉も残しています。
「金持ちになるためには2つのルールを守りなさい。
ルール1 絶対にお金を損しないこと
ルール2 絶対にルール1を忘れないこと」
賢明なる投資家として、まずは資金を防衛することをきちんとすべきなのです。
そうして、あなたにとって最大のチャンスが来るまで市場で生き続けるのです。
もう一つ、分散投資について以下のような批判がありますが、この点に関しては前の記事で言及してるので興味があればチェックしてみてください。
アメリカの大金持ちは50社のポートフォリオ投資で財をなしたわけではない。彼らの莫大な個人資産は一つの優良ビジネスを突き詰めることによって築かれてきた
まとめ
株式選択の二種類
・主要銘柄を網羅する株式選択
・計量的な基準による株式選択
将来の見通しに種類
・予想
・防衛
一般的な投資家は、まず資金の防衛を優先するべき
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