『新賢明なる投資家』備忘録⑭第13章(上場四企業の比較)

皆さんこんにちは!

 

この記事は『新賢明なる投資家』第13章(上場四企業の比較)の備忘録になります。

 

備忘録①は以下よりどうぞ!

jeconomy.hatenablog.com

 

『新賢明なる投資家』第13章では、具体的な証券の分析例についてまとめられています。

 

この章については、なかなか本文を読まなければ分からないようなことが多い場所なので、一部分かりやすいところだけご紹介していきます。

 

7つの統計的基準

グレアムさんは、同書内で防衛的投資家が証券分析を行う際に含められるべき7つ統計的基準を挙げてくれています。(P99)

 

①適切な規模

前出の章でグレアムさんは、割安な大企業をターゲットとするべきであると述べています。

 

詳しくはこちらの記事で↓

jeconomy.hatenablog.com

 

割安時に買っても市場が反映しにくい小規模事業に投資するのではなく、市場が企業の実情を反映しやすい大企業に絞って検討するのでしたね。

 

 

②財務状態が十分に良い

資本の使われ方、債務の量や質を検討し現在において経営上問題が見られないのかを検討します。

 

また、

この時に注意しなくてはいけないのは会計錯覚に陥らない事です。難しい単語や情報に固められていても我慢して調査することを心がけましょう。

 

その辺の事柄については前12章で検討されていました。

jeconomy.hatenablog.com

 

 

③最低過去20年間、継続的に配当がある

防衛的投資家は、企業の株を長期的に保有する戦略をとります。

 

それ故、

配当金の重要性は言うまでもありません。

 

加えて、

配当金を長年にわたり払い続けることが出来ている企業と言うのは、経営者の為の経営ではなく、「投資家に対して利益を還元する」という株式会社の目的をきちんと理解してくれている証拠です。

 

ウォーレン・バフェットの言葉を一つ紹介しておきましょう。

 

胴元にとってよいことは、顧客にとってよいことではないことを投資家は理解すべきです。

 

痛み入ります。

 

 

④過去10年間赤字決済がない

 

赤字が出るからには必ずそこに理由が存在しています。

 

しかし、

それが事業性の問題であるとか、経営体制の問題であるとか、地政学的リスクの影響であるとかは、あまり関係のないことです。

 

なぜなら、

それらの要因は、必ず将来のどこかある地点において発現してくる可能性が極めて高いわけであり、投資家はそのような状況は起こり得るものであると認識しておくべきだからです。

 

投資を考えている企業に何かしらの問題に対処するだけの、経営、事業、リスク回避能力等が無いのであれば、あなたは投資を控えるべきです。

 

赤字の出る要因よりも、赤字を出さない経営がなされている企業に集中するべきです。

 

故に、

長期的に赤字を出していない事を基準として考えるのです。

 

⑤一株当たり利益が、10年間で最低3分の1以上伸びている

 

市場の予想ではなく、企業の実質的な価値を重視して投資を行う「賢明なる投資家」であるのならば、あなたの投資先の企業には市場の波がどうであれ、長期的に見れば企業価値そのものが上昇すると信頼できるかどうかが重要な観点になってきます。

 

これはつまり、株価と言うよりは企業や事業の価値における話です。

 

継続的に収益が増加していることが、将来的な収益を保証するものでは全くないわけですが、可能性を高める一つの統計的基準としては採用するべきです。

 

少なくとも、

思ったように収益を伸ばせないでいる企業に対して投資を積極的に考えておく道理はないでしょう。

 

⑥株価が純資産額の1.5倍以下

 

株価純資産倍率(PBR)とも呼ばれるこの基準は、株価収益率と並んで株価の割高・割安を判断する一つの基準となっています。この値が大きいほど株価は割高で小さいほど割安と解されます。

 

株価純資産倍率は時価総額を資産総額で割ることで算出します。時価総額÷資産額)

 

その為、

仮に時価総額と資産総額が同じであった場合に値は1となりますが、これは企業が解散した時、企業の資産をすべて売却すれば株価の時価総額と等価になると言う意味になります。

 

故に、

一般的には、1倍以下を割安と解釈します。

 

もちろん、これだけでは不十分ですよ。

 

⑦株価が過去三年の平均収益の15倍以下

 

コチラの基準は⑥の株価純資産倍率(PBR)ではなく、株価収益率(PER)の話になります。

 

株価収益率とは、株価と利益の関係から株価の割安・割高を調べる方法です。具体的には、株式時価総額を純利益で割ることによって算出します。時価総額÷純利益)

 

PERが割高・割安の判断に使用されるのはなぜかと言うと、

 

例えばPERの値が低くなる二つの場合を考えてみると分かります。

 

1.時価総額(分子)が減り、純利益(分母)が変わらない

 

2.時価総額(分子)が変わらず、純利益(分母)が増加する

 

1は収益力が変わっていないのに株価が下がった場合であり、

2は利益が増えたのに株価がそれを反映していない場合を表しています。

 

どちらも、株価が割安な状態であり、それに伴いPERも値が低くなっています。

 

グレアムさんは、15倍以下を基準としていますが、これは大体東証一部企業の平均ぐらいの感じになります。

 

 

終わりに

今日は少し短くなってしまいましたが、いままでの復習的な章だったのであまり突っ込んで書く必要もないと思いました。

 

ここまでお読みくださりありがとうございました。

 

 

 

 備忘録⑮はこちらから!!

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