『新・賢明なる投資家』備忘録②第一章(投資と投機)
この記事は「新・賢明なる投資家」の備忘録②です。
備忘録①ベンジャミングレアムについては以下の記事をどうぞ!!
今回備忘録②では、『新・賢明なる投資家』の第一章「投資と投機-賢明な投資家が手に入れるもの-」をまとめていきます。
投資と投機
同書第一章では、その後の章に先立ち、個人投資家がどのような点に配慮してポートフォリオを構築するべきであるのかについて触れられています。
その中でも、主題として述べられているのは投機と投資の違いを理解することの重要性です。
投資と投機
何となく字が似ていますがどのような違いがあるのでしょうか。
同書では、その違いについて以下のように説明しています。
投資とは詳細な分析に基づいたものであり、元本の安全性を守りつつ、かつ適正な収益を得るような行動をさす。そしてこの条件を満たさない売買を投機的行動であるという。(P52)
ん~
あんまピンとこないな~(笑)
詳細な分析とは?
元本の安全性とは?
適切な収益とは?
正直この辺がふわっとしてますよね。
でも大丈夫です、これらの言葉に関してグレアムさんはきちんと解説してくれてました。
詳細な分析
=十分に確立された安全性と価値の基準に照らした事実の調査
元本の安全性
=通常の、あるいは妥当なあらゆる条件若しくは変動の下で損失を防ぐこと
適切な収益
=投資家がそれなりの知性を持って行動している時に、たとえ低くてもその投資家が進んで受け入れる収益率あるいは収益額 『証券分析』(1934)P88~91
だそうです。
まあ、つまり簡単に言い直すとしたら
「投資は、企業とその根幹をなす事業の健全性をきちんと調査し、多額の損失が出ないように十分注意しながら、現実的なリターンを目指すものである。」
と言えるのではないでしょうか。
また、ケインズは投機とは市場の心理予測であり、つまるところギャンブルであると述べています。(ケインズの投資観については以下の記事で!)
また、グレアムは投資家には相場の値はあまり意味がなく、もしあなたがその企業の株価を知るすべがなかったとしてもその企業の株を持ち続けていたいと思うかどうかが重要であると述べており、非常に投資と投機の性質の違いを言いえていると感じました。
では、なぜグレアムは投機と投資をきちんと区別したがったのでしょうか?
そこには、
投機と投資が非常に混同されて使用されている現状があるからです。
現代社会では、株購入に走る一般大衆をまとめて投資家と呼んでしまいがちです。
しかし、上記の通り、どの株を購入するのか、またはどのような基準で株を購入するのかといった基準によってその株式購入が投機なのか投資なのかは異なるはずです。
それ故、同書ではこの二つの言葉を区別することの重要性を指摘している訳であり、専ら『賢明なる投資家』とは、投資に焦点を当てたものであるわけであり、投機を想定した内容ではないのです。
投機に関する金言(P99)
- 投機をしているのに、決してそれを投資と勘違いしてはならない。
- 投機は、あなたが本気になり始めた途端に非常に危険なものになる。
- 進んで賭けたいと思っている金額には非常に厳しい制限を設けなくてはいけない。
皆さんも、投機的な行動をする場合には、かならず投資用と投機用のように口座を分けたり、投機的な行動に投入する金額を最大でも資産の10%程度にしておくなど工夫しましょうね!
投資の基本は堅実性
このことは常に胸に置いておきたいと思います。
第一章には他にも、投資をする際の注意点が述べられていますがその辺に関しては、続く章の導入的な形だったので、後々まとめていきたいと思います。
ここまでお読みくださりありがとうございました!!
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