『ウォール街のランダムウォーカ―』備忘録⑮第十四章後半(ウォール街に勝つための三つのアプローチ)

皆さんこんにちは。

 

この記事は、『ウォール街のランダムウォーカ―』第十四章(ウォール街に勝つための三つのアプローチ)の備忘録になります。

 

備忘録①は以下よりどうぞ!

jeconomy.hatenablog.com

 

備忘録⑭に続き、第十四章後半という事ですが。

 

ここでは、第十四章の最後に書いてあった内容について主に見ていきたいと思います。

 

まあ、

全体のまとめみたいなものと思っていただければ結構です。

 

それでは、『ウォール街のランダムウォーカ―』の内容を振り返っていきましょう。

 

ウォール街のランダムウォーカ―』の構成

 本書はどのような構成で、どのような内容が書いてあったのか覚えているでしょうか。

 

復習のつもりで簡単に振り返ってみましょう。

 

ウォール街のランダムウォーカ―』の物語は、ランダムウォークという概念を説明することから始まりましたね。ランダムウォークとは、物事の過去の動きや方向性を予測することは不可能であるという考え方の事でした。

 

その後は、ファンダメンタル分析テクニカル分析の土台となる二つの伝統的な資産評価方法について見てきました。ファンダメンタル学派と砂上の楼閣学派です。

 

第一部の後半と第二部においては、二つの伝統的な価値評価や、テクニカル分析ファンダメンタル分析を用いても市場平均に勝ち続けることは不可能であるという裏付けを学び、リターンに対しては相応のリスクをとる必要性があるとの結論に至りました。

 

第三部では、リスク評価の難しさについて学びました。現代ポートフォリオ理論を軸に分散投資のリスク低減効果やベータというリスク尺度について学びながらも、結局リスクを絶対的に計る尺度は存在しないことを確認しましたね。

 

第四部では、それまでの内容を踏まえて実際にどのように投資をすれば良いのかという、具体的な投資のヒントを学びました。インフレと金融資産の関係、投資家のライフサイクルとリスク許容度の関係、インデックスファンドによる投資の有効性などを確認することが出来ましたね。

 

マルキールさん最後の提言

ウォール街のランダムウォーカ―』を読んで、私がマルキールさんの言葉の中で心に残ったものをいくつかご紹介します。

 

”ある意味で株式投資は、男女の道に似ている。結局のところ、株式投資はある種の特殊な才能と幸運という神秘的な力の助けを必要とする、一種のアートだからである。”

 

株式投資においても、実力の差はもちろんあるでしょう。しかし、マルキールさんがこの言葉の中で言っている通り、結局はめぐりあわせによるところが大きいのだろうと思います。気になるあの人に好意を持ってもらえるよう努力することはできます。とはいえ、結局のところその意中の人が振り向いてくれるかどうかは神のみぞ知る事なのでしょう。

 

”投資の勝ち負けについて十分理解を深めてゲームに参加し、少なくともポートフォリオの中心部分をインデックス・ファンドにしておけば、余裕を持ってゲームを楽しむことが出来るというものであろう。”

 

ランダムウォーク理論のエッセンスが詰まっている言葉に感じます。過去の事象から未来を予想することはできません。しかし、市場に乗って長期的に投資するのであれば十分な収益を上げることは可能である確率が非常に高いのです。そして、少なくとも死なないという最低条件はクリアできるでしょう。

 

”もし道端に一〇〇ドル札が落ちているとしても、長い間、誰もそれに気づかないという事はありえないのだ。”

 

値動きはランダムであるというのがランダムウォーク理論の主張するところです。しかしとはいえ、マルキールさんは市場の中である一定のパターンが見えてくる可能性を排除しているわけではありません。市場にパターンが見えてくる可能性はある、しかしそのようなパターンは長期的には自壊するものであり、そのチャンスを利用して超過リターンを確実に上げようとするのは、現実的で無いというわけです。

 

編集後記

1973年の初版以来、全米累計150万部を超え、「投資の名著」として絶賛されるベスト&ロングセラー、『ウォール街のランダムウォーカ―』について見てきた。本書の主張は「インデックスファンドへの投資がベスト」というシンプルなものだが、類書と異なり詳細なデータに裏付けされて「どうしてほかの投資方法によりもインデックスファンドへの投資が良いのか」、という題への丁寧な説明がなされている。金融における知識がなくてもすらすらと読めるよう書かれている点も非常に親切である。

 

とは言え、単にインデックスファンドのメリットだけが書かれているわけではない。インデックスファンドによる投資を薦めるという事は、即ち「短期間でお金持ちになる」方法は夢の中の話だと強く読者に印象付けることが出来る。投資とは自己責任である。これは絶対的な原則としてこの先も続いていくはずだ。しかし、最初は誰だって初心者であるし、投資によって財を成すという華やかなイメージは誰もが一度は抱いたことがあるはずなのだ。特に、現代社会において投資における一番の問題は、投機と投資の違いをはっきりと区別できていない人が多すぎることである。これらの認識のずれは、自己の資金を過度なリスクにさらし、実生活に多大な影響を与えることになる。

 

ケインズの投資のアドバイス「もっとワインを飲め」、すなわち投資とは目的ではなく、あなたにとっての目的は実生活を生きる事である、という言葉が指しているものが全てであろう。

 

ウォール街のランダムウォーカ―』は、投機と投資の違いから投資との向き合い方に至るまで、現実的な方針を示してくれている。これは、単純に投資家の運用方針に関する内容ではない。「社会人としてお金とどのように付き合っていくべきか」という疑問に対する素晴らしい回答でもある。

 

税金、利子、手数料が与える影響。お金は長期的かつ計画的に増やすもの。ライフサイクルとお金の関係。特にこれらの内容は社会の教科書にでものせて義務教育で学んでも良いレベルだ。それくらい社会人として生きる上での重要なアドバイスである。

 

それ故、

私は、本著を「投資の本」ではなく、「一般教養の本」としてお薦めしたい。生きる上で一度は必ず読むべき本であると強く感じる。あなたの今までのお金との付き合い方に大きな影響を与えることになるだろう。興味があれば一度手に取ってみて頂きたい。

 

最後に、

ここまでお読みくださった読者の皆さんに心からお礼を申し上げるとともに、この備忘録は投資の誘引、投資手法の解説、本著の正式な解説を提供する目的は一切なく、個人的な感想と解釈を書き留めた備忘録であることを申し上げておきます。本著に関しては必ずご自身の手で情報を確認していただきますよう伏してお願い申し上げます。

 

ありがとうございました。

 

ウォール街のランダムウォーカ―』に興味のある方へ

 

『ウォール街のランダムウォーカ―』備忘録⑭第十四章前半(ウォール街に勝つための三つのアプローチ)

皆さんこんにちは。

 

この記事は『ウォール街のランダムウォーカ―』第十四章(ウォール街に勝つための三つのアプローチ)の備忘録になります。

 

備忘録①は以下よりどうぞ!

jeconomy.hatenablog.com

 

 

前章、第十三章では投資家のライフサイクルとリスク許容度の関係について見ていきました。

 

今章、第十四章は『ウォール街のランダムウォーカ―』における最終章になります。本書を通してマルキールさんが何を一番伝えたかったのか見ていく事が出来そうです。

 

尚、今まではなるべく一つの章を一つの記事で同じ文量くらいでまとめるようにしていましたが、今回の最終章に関しては前半・後半の二本立てにしていきたいと思います。

 

よろしくどうぞ。

 

ウォール街三つの歩き方

さて、ウォール街をどのように歩き出せばいいのか。それには、大別すると三通りの歩き方がある。私はそれを次のように呼ぶことにしたい。第一のアプローチは思考停止型の人の歩き方である。第二のアプローチは手作り型の人の歩き方である。そして、最後のアプローチは専門家任せの人の歩き方。(P420)

 

ウォール街のランダムウォーカ―』最終章では、実際に投資家がどのように金融市場に乗り込んでいるのかの簡単な手引きが書かれています。

 

もちろんこれはなんらあなたの投資成績を保証するものではありませんが、少なくともこれらの方針に従って投資をするならば致命的な失敗は避けられるでしょうと言うのがマルキールさんの立場です。

 

1. 思考止型アプローチ

思考停止型のアプローチとは、簡単に言えばインデックスファンドに投資をすることです。ただ、ぼーっと市場という電車に乗って連れていってもらう感じですね。

 

そんなことでリターンがあげられるのかという質問はここまで『ウォール街のランダムウォーカ―』を読んだ方ならもはやいりませんよね。

 

S&P500のようなインデックスファンドに投資をすれば、おおかたのアクティブファンドにリターンで勝つことが出来るというのは何度も繰り返し本文で述べられてきたことです。

 

インデックスファンドの利点や注意点については前章のドルコスト・平均法についてを読み返してみると良いですね。

jeconomy.hatenablog.com

 

もちろん、

インデックスファンドの場合は自分で大化け株を見つけ莫大な財を成すという、ある意味投資のロマン的なものは全くありません。

 

しかし、

市場平均並みのリターンを上げ続けるというのは、平均点が70点のテストで常に70点をとるような月並みの事ではありません

 

むしろ、

投資という世界では、市場平均並みのリターンを長期間にわたって上げ続けることが出来るのはとても優秀な証だと私は考えます。

 

一つだけ、注意点を本文から引用して見ておきましょう。

 

多くの人がインデックス運用とはS&P500指数を買うことだと間違って思い込んでいる。しかし、もはや今日ではそれだけがインデックス運用ではない。(P429)

 

これはとても有益な提言だと思います。確かに、今ではインデックスファンドと言えばS&P500というイメージは強いと思います。

 

しかし、

今日では様々なインデックスファンドが売られていますからどのような形で市場を所有するかはきちんと考えなくてはいけません、

 

私個人としててもS&P500にはいくつか懸念材料があるとは感じます。

 

例えば、

まず一つ目に大型株で構成されているという点ですね。個別株投資ではなくインデックスによって広く投資するわけですから、小型株における倒産リスクはかなり低減できるはずです。現代ポートフォリオ理論の章でシステマティックリスクと非システマティックリスクの違いについては学びましたね。

 

二つ目に、

S&P500指数のインデックスファンドの場合は頻繁な銘柄入れ替えがあるという点です。

 

当然、成長し続ける企業もあれば、そうではない企業もあるわけです。これはつまりS&P500から除外される企業もあれば、新たに入ってくる企業も存在するという事です。

 

これの何が問題なのかと言うと、

 

例えば、

停滞し株価が下落している企業がS&P500から除外されたとして、確かにそのような企業は業績が停滞しているかもしれませんが、それ以上に投資家から失望され売り込まれている可能性もあるわけです。

 

その結果、

企業価値よりも株価が低くなっていることが多く、安全域が十分にあるバリュー投資家の対象となり株価がまた上昇してくることも考えられます。

 

逆に、

企業の業績や成長率が良くS&P500に入ってくる企業に関しては、そもそも割高な株価であることが多いわけです。なぜなら投資家の期待が実際の株価に上乗せされているからです。

 

このように、S&P500にもいろいろと考慮するべき点は存在しているわけです。

 

もちろん、これはS&P500の有効性を否定するべきものではありませんし、むしろS&P500指標を買う形でも十分にリターンを目指すことが出来ると思います。

 

私が言いたい事は、盲目的にS&P500に飛びつくようなことがないようにしてくださいという事です。

 

2. 手作り型の歩き方

投資家としての面白みはどこにあるのでしょうか。

 

マルキールさんは、長期的にインデックスファンドに投資し、取引は極力抑えろと言います。

 

しかし、

ここでほとんどの読者の皆さんにとって同意してもらえると思うのですが、

 

え~おもんな

 

って思いませんか?(笑)

 

正直、私は投資は退屈で結構と割り切っていますし、この考え自体とても幼稚な発想のようにも思えるのですが、やはり投資の醍醐味の一つには知的努力の先でつかむ市場を出し抜いたという感覚なのではないでしょうか。

 

マルキールさんが、本章で第二の歩き方を提示しているのはまさしく上で書いたような自己の知的努力で金融市場に挑みたいという投資家の気持ちを思っての事なんだと思います。

 

このような方々へマルキールさんが提示した株式選択のルールはすでに前の章で出ていましたが、以下の四つです。

①少なくとも五年間は、一株当たりの利益が平均を上回る成長を期待できる企業の株のみを購入する。

 

②企業のファンダメンタル価値が正当化できる以上の値段を払って、株式を買ってはならない。

 

③近い将来、「砂上の楼閣」づくりが始まる土台となるような、確固たる成長見通しのある銘柄を購入するとよい。

 

④なるべく取引回数を減らすべし。 (P438~441)

 

 まあ、これまでのマルキールさんの主張をまとめたようなものですからね。あまり目新しさは感じませんね。

 

もちろん、

私の口からも何度も何度も言っていることですが、この方法に沿ってやったからといって優秀な投資成績が納められるなんてことは全く保証できません。

 

もし、

この法則に沿って投資を試してみたいのであれば実際に『ウォール街のランダムウォーカ―』を手に取ってより詳細なポイントをきちんと確認してくださいね。

 

私自身は、自分自身の知的努力で市場に勝とうなんて気は全然ないのパスです。

 

3. 人に任せるタイプ

最後、三つ目の歩き方は人に任せる歩き方になりますね。要は、専門家をフル活用しろという事です。

 

では、その専門家とは誰の事を指しているのでしょうか。

 

投資信託は、単に個々の投資家を銘柄選択の手間から解放してくれるだけでなく、分散投資によってリスクを低め、事務手続きや税務からも解放してくれるのだ。加えて、多くのファンドは、配当の再投資や定期的な現金引き出しプランなど、様々な付随サービスも提供してくれる。(P443)

 

マルキールさんは投資信託ファンドマネージャーを利用することを薦めていますね。

 

確かに、優秀なファンドマネージャー個人投資家よりも投資において優秀なプレイヤーであることは疑いようのない事実だと思います。

 

また、

マルキールさんが指摘しているように、投資信託に付随しているサービスにも魅力があるのも確かです。

 

一般論としては投資信託によって優秀なファンドマネージャーに運用してもらうのが有効な投資戦略であることには私も同意見です。

 

しかし、

人任せについては、少し注意すべき点もあるように思えますね。

 

というのも、

マルキールさんが人任せと言っているのはあくまでも運用についてなわけです。これは投資資金の運用をファンドに任せるという意味なわけですから、どのようなファンドを利用するのかについては自分自身で努力すべき範疇と考えるべきでしょう。

 

うちのファンドの運用成績は素晴らしいですよ!!

 

うちは売買手数料が市場の平均以下ですよ!!

 

なんて言われて、

 

はい、おなしゃーす

 

なんて資金を出すようなことは絶対にしてはいけないのです。

 

そのすばらしい運用成績はどのような切り取り方をしたのですか?

 

売買手数料は安いけど、運用管理費は?他の経費は?

 

自分で考えなくてはいけません。

 

ファンドの方が説明してくれないのは不親切だ!!

 

なんてのは現実的にアウトな考え方だと思います。

 

まとめ

ウォール街の歩き方は3つ

 

・市場に乗る

 

・自分で歩く

 

・プロに歩かせる。

 

・マルキールさんのおすすめは市場に乗る事

 

ここまでお読みくださりありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ウォール街のランダムウォーカ―』備忘録⑬第十三章(投資家のライフサイクルと投資戦略)

皆さんこんにちは。

 

この記事は『ウォール街のランダムウォーカ―』第十三章(投資家のライフサイクルと投資戦略)の備忘録になります。

 

備忘録①は以下よりどうぞ!

 

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前章、第十二章では債券や株式におけるリターンの構成要素から21世紀におけるリターンの予想について見ていきました。

 

本日扱う、第十三章では投資家それぞれのリスク許容度やライフステージと投資の関係について述べられています。

 

どのような投資に関するヒントを得ることが出来るのか見ていきましょう。

 

リスク許容度について

ここまで 『ウォール街のランダムウォーカ―』では、リスクについて各投資家の選好度を中心に議論を進めてきました。例えば、資金を失うリスクをなるべく減らすことに重きを置く防衛的な戦略や市場平均を超える可能性を求め積極的な取引をする戦略など、リスクはリターンとの関係の中で各投資家のリスク選好度で決定するのですと。

 

しかし、

このリスクについて、第十三章ではもう少し踏み込んだ各個人のリスク許容度について考察されています。

 

リスク許容度とは文字通りどの程度までのリスクはとれるのかという線引きの問題のことです。リスクの選好度との違いは、選好度の場合はどれだけのリスクを自分がとりたいのか、という希望を指しているのに対し、リスク許容度はどれだけのリスクを自分がとれるのか、という限界を示している点です。

 

では、

投資家のどのような要因がリスクの許容度と絡んでくるのでしょうか。

 

この章では、投資家のリスク選好度、つまりうまいものにありつきたいのか、それとも夜ぐっすりと眠りたいのか、の両極のどの辺に属しているのかにかかわらず、個人の年齢、所得水準、人生の中で負っている責任の度合いなどが、ポートフォリオの資産ミックスの選択に大いに影響することを説明していく。(P392)

 

マルキールさんは本章において、年齢などのライフステージとリスク許容度の関係を見ていくと述べていますね。

 

確かに、

若い独身の男性と家族持ちの男性の場合では取れるリスクが異なってくるのは当たり前ですもんね。また、所得水準の違いにおいても、それは希望の投資対象が購入できるかどうかに大きく関わってくるのですから重要な点ですね。

 

アセットアロケーション四つの前提

ライフステージに合わせたリスク許容度についてマルキールさんの考えを見る前に、これを考える上での前提条件を明確にしておく必要があります。どのような前提条件のもとにリスク許容度が考えられているということをまずは理解しておきましょう。

 

①:リスクとリターンは正比例

まず一つ目の、前提条件はリスクはリターンに正比例するというものになります。言い換えれば、リスクが増えればリターンは増えるし、リスクが減ればリターンは減るということです。

 

第九章では、現代ポートフォリオ理論を学ぶとともにハイリスクが必ずしもハイリターンというわけではないということを学びました。

 

第九章はコチラから!!

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あれ、言っていることが違うのでは?と疑問に感じた方がいるかもしれませんが、そんなことはありません。あくまでも、現代ポートフォリオ理論のところで言っていたのは分散投資によるリスク低減効果の話であって、要はあるリターンをなるべく低いリスクで実現するにはどうすれば良いのかという事です。

 

ハイリターンであるほどハイリスクというのは一般法則として認められるものです。

 

 

②投資リスクは投資期間による:

皆さんは大数の法則というものを聞いたことがあるでしょうか。大数の法則とは試行回数やサンプル数が多ければ多いほど、事象の結果は計算上の確率に近づくという法則のことです。

 

パチンコ店や宝くじが利益を上げられるのはこの大数の法則のおかげなんです。

 

では、

投資とはどのような関係があるのでしょうか。

 

投資におけるリスクの度合いは値の散らばりを示す標準偏差や分散によって表わされることが多いです。そして、これらの数値は投資期間が長ければ長いほど低くなります。なぜなら、投資期間が長くなるほど短期間に起こり得る大きな相場の上下が平均化されていくからです。

 

本文中の言及にも触れておきましょう。

 

一年間だけをとれば、三回に一回の確率で債券やマーケット・ファンドのほうが株式投資より高いリターンに終わる。しかし、投資期間が二〇~二十五年と長期になると、例外なく株式の方が高いリターンをもたらすのだ。(P397)

 

長期になれば期待できるリターンが実現する確率も上昇するという主張の裏付けになっていますね。

 

 

ドル・コスト平均法の効果:

 投資に興味がある方には聞き馴染みがあるのではないでしょうか。ドル・コスト平均法とは、一定の金額を毎月もしくは毎四半期などの一定の期間で、同じ投資対象に対して長期間投資をし続ける方法です。

 

ドル・コスト平均法のメリットは一つ目に、高値掴みをしてしまう可能性を低減できることです。ドル・コスト平均法の場合は毎月のようにコンスタントに買い続ける投資方法なので、高い時だけを買い続けるという事にはなりません。二つ目に、同金額ずつ購入するので自然と、投資対象が高値の時には少なく、安値の時には多く購入することが出来ます。

 

とはいえ、

もちろんデメリットもあります。

 

それは手数料です。

 

定期的に購入するためドル・コスト平均法は手数料が大きくかかります。なので、手数料がかからない金融機関で取引をするとか、購入期間を調整するなどの対策をとることをお勧めします。

 

銀行などの金融機関にとっては中長期的に手数料収入が望める積み立て投資は魅力的なもです。そのためドル・コスト平均法の利点だけを言って、手数料をちゃんと説明しないセールスもあります。ぜひ、この記事を読んだ皆さんにはドル・コスト平均法を利用する場合、たとえば積み立て投資などの商品を購入する場合には、必ず手数料のシミュレーションをしていただきたいです。

 

若しくは銀行員さんに聞いてみてください。

 

もごもごしてるようだったら席立っちゃってください。

 

④選好度と許容度を絶対に区別する:

冒頭でも述べた通り、リスクの選好度と許容度は似ているのは字面だけで中身は全然違います。

 

もう老い先短いのに成長企業の株を持って値上がりを願うのはよく分かりませんし。

 

長期間投資できるのにほとんど債券を中心に投資をするのは防衛的すぎます。

 

自分らのライフステージとともにリスクの許容度は変化するのだという事を前提として投資戦略を考えていく必要があります。

 

選好度は変わらずとも、許容度は変わる。

 

是非、座右の銘に。

 

マルキールさんの投資手引き

それでは、以上の前提を踏まえてマルキールさんはどのようなヒントを私たちに与えてくれているのでしょうか。もちろん、これからご紹介するのはあくまでも基本指針的なものでどのような場合においても成立するものではないことはご理解ください。

 

①何のためのお金か?

 ”この若い夫婦が一年後に住宅購入の頭金として三万ドル必要だと仮定しよう。この三万ドルは必要な時に現金が確実に手に入るような安全な形、例えば一年物の譲渡性預金のようなもので運用するのが賢明である”(P405)

 

 投資する場合には何のための資金なのかをはっきりとさせておく必要があります。なぜなら、それによってどれくらいの期間運用が出来るのか、どれくらいのリスクをとれるのかが大きく異なってくるからです。

 

 

②リスク許容度の確認

 ”一般的なガイドラインとして、個人の投資資金を各種資産にどのくらいの割合で配分すべきかを示すことは可能である。しかし、それが本当にあなた自身にとって最適な資産構成になっているのかは、あなたがそれで夜ぐっすりと眠れるかどうかにかかっている。”(P406)

 

 リスクの許容度を見極めるのは、結局のところ自分自身です。どれくらいのリスクなら生活に影響しないのか。仮にリスクが実現したとしてその時の自分はどうなるのか。考えてみることです。また、投資家のリスク許容度に関する心理テストも存在しています。活用して判断材料にするのもよいでしょう。

 

 

③規則的かつ長期的に

 ”財産の少ない人たちのほとんどは、資産形成なんてほとんど不可能と諦めている。~中略~しかし、あきらめることはない。規則的に毎週、給与から自動引き落としになる銀行預金のように積み立てを行っていけば、ある程度の期間うちにまとまった資金になる。”(P407)

 

 規則的にかつ長期間にわたっての投資は現実的に相当な利益をもたらしてくれる可能性が非常に高いです。それが例え毎月の少額積み立てであってもです。老後2000万円なんて一時期はやりましたが、30年ほどの長期にもわたってコツコツと続けることが出来るのなら、2000万円を老後に残すのも現実的な話です。

 

 

まとめ 

・ライフステージに合わせたリスク許容

 

・長期的・規則的が大事

 

・何のための投資なのかをはっきり

 

 

ここまでお読みくださりありがとうございました。

 

 

 

備忘録⑭はこちらから!!

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『ウォール街のランダムウォーカ―』備忘録⑫第十二章(インフレと金融資産のリターン)

みなさんこんにちは

 

この記事は『ウォール街のランダムウォーカ―』第十二章(インフレと錦秋資産のリターン)の備忘録になります。

 

備忘録①は以下よりどうぞ!

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前章、第十一章では効率的市場仮設とはどのような物なのか、またそれの反対に対するマルキールさんの意見について学びました。

 

今章、第十二章ではインフレと金融資産のリターンがテーマとなっています。どのような投資におけるヒントを学ぶ事ができるのか楽しみですね。

 

株式リターンの構成要素について

ウォール街のランダムウォーカ―』第十二章ではまず初めに、株式や債券におけるリターンとはどのようなものなのかについて触れられています。

 

株式のほうから見ていきましょう。

 

非常に長い期間で見た時の株式投資の平均リターンは、二つの基本要因からもたらされる。それは配当利回りと今後の一株当たり利益、配当の成長率である。(P368)

 

株式を利用して利益を上げるには、主に価格変動によって発生する売買差益を利用するキャピタルゲインと配当や利子など経常的に発生する利益であるインカムゲインがあります。

 

今回、取り上げられているリターンとは後者のインカムゲインを指していますね。配当の利回り+配当の期待成長率が長期的な株式投資のリターンであるという事です。特に難しいことはありません。

 

ポイントとしては、長期投資におけるリターンであるという部分ではないでしょうか。

 

短期的なリターンは市場水準に影響を受ける可能性が高いからです。金利水準変化や市場のムードによって年平均リターンはかなりブレますからね。

 

配当の重要性は?

株式の長期リターンにおいて配当の持つ重要性は大きいものです。

 

しかし、

少し歴史を振り返ってみれば、配当に対する重要性に疑問の声が投げかけられたこともあるのは確かでなわけです。

 

本文中の言及を見てみましょう。

 

二〇〇〇年代に入ると、多くの専門家がもはや配当は過去ほど重要な要因ではなくなったのではないかと考え始めた。というのも、ますます多くの企業が伝統的な配当の形でなく、自社株買い戻しの形で利益を投資家に還元し始めたからだ。(P370)

 

確かに自社株を買い戻すことには様々なメリットが存在していますよね。下に主要なものをまとめておきます。

①発行済み株式の減少:

 企業が自社株を購入することによって、発行済み株式数が減ると、一株当たりの価値が高くなります。

 

②税金対策:

 株価の上昇による「含み益」に関しては株式の売却時まで税金を払う必要がない、つまり相続すれば課税されません。

 

ストックオプション行使:

 これは経営側のメリットですが、自社株の購入によって株価が上がればストックオプションの行使によって得られる利益も増えることになります。

 

④財務戦略:

 企業は買い取った自社株に対して配当金の支払い免れます。故に、買いつけた株数の分だけ配当金の支払い総額を減らすことができますので、余剰資金の再投資先がない場合などでは財務上有効な戦略になります。

 

 

しかし、

このような様々なメリットに対してマルキールさんは、配当金の重要性を否定できるような効果は期待できないと言っています。

 

株主が非課税の機関投資家であったり、年金機関や個人退職勘定で株式を保有する個人投資家の場合には、配当は課税されないからだ。(P371)

 

一つ目の指摘は、投資家への税金面でのメリットに対してです。株式の保有に気を付けさえすれば配当を貰っても税金対策はできる!!、ということですね。

 

自社株買い戻しは、ストックオプションが行使される時に、交付しなければならない株式を手当てするために行われることが多いのだ。(P374)

 

ストックオプションが行使された場合、企業は行使した人にあげる株式を調達しなければなりません。その場合、一般的に市場から株式を調達するのではなく新株を発行することで調達する場合が多いです。

 

しかし、

そうすると、株式の発行数が増えるために一株当たりの価値は低下してしまいます。

 

上の引用部で言っていることは、ストックオプションの行使による株式の希薄化への対応として自社株買い戻しは利用されることが多いということです。

 

まとめるとこうなります。

 

ストックオプションを行使する

→株式を新規発行する

→発行済み株式数が増える

→株式が希薄化する

→自社株買い戻しをする

→一株当たりの価値が高まる

→元に戻る

 

 財務戦略としてのメリットは投資家への還元とは言えないわけですから配当の重要性に何ら影響はありません。

 

以上より、マルキールさんは自社株買い戻しが良く用いられるようになったとしても配当の重要性が損なわれるようなことにはならないし、むしろ株価が低迷した場合などは配当の重要性は高まると主張しています。

 

債券リターンの構成要素について

 それでは続いて債券リターンについて見ていきましょう。

 

債券投資の長期的リターンをはじくのは、株式よりは簡単である。債権の保有から長期的に得られるリターンは、購入時に計算される「複利最終利回り」で近似される。(P372)

 

そのとおりですね。

 

もちろんこれは債権を満期まで保有した場合の話です。債券は比較的安全な投資対象でありますので、購入時における複利最終利回りを債券投資から得られるリターンの予想値として採用することは合理的な判断だと言えますね。

 

では、債券を満期まで保有しない場合はどのように考えていけば良いのでしょうか。

 

特に考慮しなくてはいけないポイントは以下の二点でしょう。

金利変動: 

 債券価格は金利変動の影響を大きく受けます。一般的には金利が上がると債券価格は下落し、金利が下がると債券価格は上昇します。理由は、例えば金利が上がった場合は、新規発行債券の方が利上げ前の債券に比べて利回りが高くなります、そこで利上げ前の債券を売買するためには債券価格を引き下げて、新規発行債券の利回りと同水準に持っていく必要が出てくるからです。利下げの場合はその逆を考えていただければ理解できるでしょう。

 

②インフレ:

 債権はインフレの影響を強く受けることになります。満期まで定期的な利子の額が確定している債権の場合、インフレによって物価が上昇していく=購買力が低下していくなかでは実質的なリターンは目減りしてしまいます。例えば、実質リターン5%を実現したいとしてもインフレ率が2%ならば、名目上リターンは7%上げなくてはいけないわけです。また、インフレ率がある一定のレベルを超えると、消費者の支出を抑えようとする中央銀行の政策によって、金利は上昇する傾向があります。その結果、債券価格は低下し、投資の全体的なリターンも減少します。

 

 

マルキールさんの提言

マルキールさんは、ここまでみてきた株式や債券に関するリターンを踏まえて、1946年~2000年にかけての時代を三区分に分けて調査するとともに、二一世紀に関する大まかなリターンの予想値を語っていました。

 

三つの年代に関する調査結果は実際に手に取って読者の皆さんにぜひ読んでいただきたく思います。

 

二一世紀の予想に関しては、優良社債を満期まで保有した場合には6.5%~7%のリターン、株式のリターンではS&P500ベースの株式投資で年平均8.5%前後と言っていました。

 

もちろん、マルキールさんがランダムウォーク理論派の当事者ということからも、この予想値が将来を確約するものではないことは明白ですが、何一つとして道しるべを持たずに投資をすることもできないわけですので、妥当と言えるくらいの控えめなリターン予想は立てておかなくてはいけないのでしょうね。

 

実際に見てみると、S&P500のリターンは過去10年で6.98%、過去20年で7.94%(※2016年データ)となっていましたね。2008年にリーマンショックがあったことを加味すれば、マルキールさんの予想値も妥当なところだったのではないでしょうか。

 

少なくとも、投資を考えるうえでの予想リターンとしては活用できそうです。

 

まとめ

・配当は今でも重要

 

・債権は金利変動とインフレに注意

 

・予想値は控えめに、株式は一桁台後半、債券は5%程で考えるのが防衛的

 

 

ここまでお読みくださりありがとうございました。

 

 

備忘録⑬はこちらから!!

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『ウォール街のランダムウォーカ―』備忘録⑪第十一章(効率的市場理論に対する攻撃はなぜ的外れなのか)

みなさんこんにちは。

 

この記事は『ウォール街のランダムウォーカ―』第十一章(効率的市場理論に対する攻撃はなぜ的外れなのか)の備忘録になります。

 

備忘録①は以下よりどうぞ。

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前章、第十章では資本資産評価モデルから投資家がとるべくリスクの考え方について学びましたね。

 

今章、第十一章では効率的市場理論に対する様々な反論を検証していく内容となっています。

 

どのような投資に関するヒントが得られるのか一緒に見ていきましょう。

 

効率的市場理論とは

まずは、効率的市場理論とはどのような理論なのかについて見ておきましょう。

 

効率的市場理論(効率的市場仮説)とは、株式市場では利用可能なすべての新たな情報が株価に直ちに織り込まれるため、投資家はベンチマークや市場平均を超すリターンを得ることはできず、株価の予測は不可能であるという学説になります。Efficient-market hypothesis の訳語であることからも、いまだ科学的に証明されたものではなく仮説の域を出るものではありません。

 

しかし、

ランダムウォーク理論を確立するうえで一つの重要な柱となっている理論になっています。そしてそれ故、『ウォール街のランダムウォーカ―』著者のマルキールさんはこの理論に対する反論を第十一章において取り扱っているわけです。

 

効率的市場理論に関する本文中の言及にも目を通しておきましょう。

 

ファイナンスの教授と学生が交わす有名なジョークから始めよう。お札をみつけた学生が立ち止まって拾おうとすると、教授はそれをたしなめて、「よしたまえ、もしそれが本物のお札なら、いままで放置されているはずがないだろう」と言ったというものだ。このジョークは、金融経済学者が通常「市場は効率的だ」というときのニュアンスを実によく伝えている。(P328)

 

市場においても、道の上にお札が落ちているように利益を上げられる可能性が高い場面は訪れることがあります。

 

しかし、

効率的な市場ではそのような場面が到来するや否や市場の参加者によってすぐさま修正されてしまうのです。上のジョークが言うように効率的な市場においては転がってきたチャンスはすぐさま誰かに拾われてしまうわけです。どこの道にお金が落ちているかなど誰が予想できるのでしょうか。

 

しかし、100ドル札は転がっていないとしても、より少額の紙幣やコインなら転がっているかもしれない。そう考える人は多い。そしてどれだけの小銭が転がっているのか、それを効果的に見つけ出す方法はあるのかどうか、それを研究することが多くの学者の飯のタネになったのである。(P329)

 

なるほど、

確かにお札が落ちていることなんてめったにありませんが、小銭が落ちている場所ならば自販機の下とか見当がつきそうな気もします。

 

効率的市場理論に対する反論に対して

確かに、小銭探しくらいなら効果的な予想法はありそうですし、実際に市場が効率的とは言えない場面もありそうな気がします。というか、そもそも完璧な効率性が達成されることなんて株式市場じゃなくても見たことがありません。

 

とするならば、

市場は効率的では無く予想可能だと考えるべきとも思えますよね。それでも、マルキールさんは市場は効率的で予想できないというわけですから、そこには何かしら理由があるはずです。

 

見ていきましょう。

 

 効率的市場仮説に対する反対の流れは行動ファイナンス理論の登場による影響が大きいと言えます。

 

オランダのチューリップバブル、イギリスの南海会社バブル、アメリカのブラックマンデーなど、市場では度々非効率で不合理な変動が繰り返されてきました。

 

こうした価格変動を効率的市場理論の観点だけで説明するのはどうしてもできないわけなので、こうした価格変動を説明するための新しい理論の必要性が高まってきました。

 

このような流れのなかで現れてきたのが、株式市場における価格決定プロセスに価格変動の癖やパターンという心理的な要因を持ち込んだ行動ファイナンスという新しい学問分野なのです。

 

そして、

行動ファイナンス派の学者らは、市場において投資家の判断には市場への過剰反応や楽観、悲観、ムード、流行などの人間の心理的性質が強く関わっており、それ故、市場ではしばしば予測可能なパターンを観測することが出来ると主張するようになっていったのです。

 

行動ファイナンス学派の偉業は、予測可能な株価変動のパターンもあることを裏付ける、多くの統計的な研究によって支えられてきた。実際、この分野の学問の世界における新しい呪文は、「株価は少なくとも部分的には予測可能である」というものだ。(P327)

 

それでは、行動ファイナンス派の人たちに向けてマルキールさんはどのような意見を持っているのでしょうか。

 

私の結論はこうだ。これらの効率的市場理論に対する反証はいずれも誇張されており、株式市場が投資に役立つほどに予想可能だという主張もあてにならないものだ。そしていろいろ検討した結果、やはり効率的市場理論の教えに従って、市場を広く代表するようなインデックス・ファンドに投資するのが一番よいことを、あらためて示すことにしたい。(P327)

 

マルキールさんは行動ファイナンス派の人たちが示した効率的市場理論に対する反証は誇張されているし、実際に使えるような予測可能性もありませんという立場なわけですね。

 

まあ、ランダムウォーク理論とは逆の立場ですもんね。

 

 

マルキールさんの主張

どうして行動ファイナンス派の反証が誇張であるのか、どうして投資に使えるほどの予測可能性が市場にはないのかという点については本文中で様々な検討がなされています。

 

例えば、

市場平均を上回るとされる10個以上の投資戦略についてその戦略の有効性を検討したり、プロのファンドの成績を調査したりなど。

 

どのような内容であったかは、かなり長くなってしまうので割愛させていただきますが、興味のある方はぜひとも本書を手に取ってみてください。

 

ともあれ、

マルキールさんは行動ファイナンス派の予想可能性に対する主な反論理由は以下のようになります。

 

①長期的な持続性に対する疑問:

  ”報告された予測可能な市場パターンの多くは、ありとあらゆる方法でデータをいじくり回した結果にすぎないのかもしれない。これらの結果が将来も続くかどうかはきわめて疑わしい”(P362)

 

 

②一般投資家の利用可能性:

 ”例えば、一月効果を利用とするとすると、それに要する売買手数料が無視できないほど大きいため、経済的には意味がなくなってしまう。”(P362)

 

 

③見せかけの価格変動:

 配当利回り効果などの予測可能なパターンは、一般的な金利の変動を反映しただけのことかもしれないし、小型株効果の場合は、それに見合ったリスクが反映されているだけかもしれない”(P362)

 

 

④自壊する可能性:

 ”これらのパターンが真のアノマリーだとしても、リターン最大化を目指して投資家がそれを利用しようと押し掛けた途端に、自壊してしまう可能性が高い。”(P363)

 

 

 コンピューターの発展によって計算能力が大幅に向上した結果、市場の値動きに対して数多くのパターンとも思える値動きを観測することが出来るようになりました。しかし、膨大なデータを検索すれば偶々であってもパターンのように似た価格変動が観測される可能性は高いはずですよね。過去においてパターンのように見えたものも、かなり脆弱な基盤の上に立っている可能性は大いにあるため、将来の予測に活かせるものなのかは疑問に残りますね。

 

他の理由についてもおおむね理解できそうです。特に、有名な理論が自壊していくというのは色々な所でも述べられていますね。

 

 

まとめ

マルキールさんは、市場が効率的ではない動きをすることはあるものの、行動ファイナンスでは信頼に足るような予測可能性は得られないし、それが効率的な市場の反証にはならないと言っているわけですね。

 

確かに、私もおおむねこの意見には賛成です。私自身、行動ファイナンスの観点から価格を説明しやすい状況が存在していることは認められると思います。

 

しかし、

それを投資に活かすかとなったらかなり悩むところです。なぜなら、もし私がそのようなパターンに出くわしたとしたら、

 

「どうしてこのお札はまだ道に落ちているのだろう?」

 

と思うからです。

 

もちろん、ほんとうにただ落ちているだけの可能性もあるでしょう。しかし、同じようにそのお札には何かしら裏がある可能性もあるわけです。

 

この先の態度は投資家の皆さんの性質によるところが大きいでしょう。

 

私は防衛的な投資家を目指している、だからこそお札は拾わずに市場の波に乗るインデックスファンドを投資戦略の核とするべきだと思うだけのことです。船に乗るならば、海流に乗ることが最良の航路だと思うだけです。

 

皆さんはどうでしょうか。

 

 

 

ここまでお読みくださりありがとうございました。

 

 

 

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『ウォール街のランダムウォーカ―』備忘録⑩十章(リスクを取ってリターンを高める)

皆さんこんにちは。

 

この記事は『ウォール街のランダムウォーカ―』第十章(リスクをとってリターンを高める)の備忘録になります。

 

備忘録①は以下よりどうぞ!

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前章の第九章では、現代ポートフォリオ理論を紹介し、分散投資によってどのようにリスクの低減を図っていけばよいのかについて大まかに学びました。

 

引き続きリスクがテーマの第十章ですが一体どのようなことが学べるのでしょうか。実際に見ていきましょう。

 

とるべきリスクの考え方

 第九章では分散投資によってリスクの低減が出来るという事を学んだわけですが、分散投資にも限界はあるわけです。

 

例えば、あなたが市場にあるすべての企業に分散投資をしていたとしても、昨今のコロナウイルスによる消費活動の低迷は市場全体の落ち込みに繋がりました。分散投資はあくまでも、ある銘柄の損失をを他の銘柄の収益によって緩衝することが想定されているわけですので、ほとんどの銘柄が同じように価格の下落にさらされる状況においては、その効果を十分に発揮できないわけです。

 

それ故、

銘柄を選択する時点においては、リスクの考え方についてもう少し深く突っ込んでいく必要があるわけです。

 

どのようなリスクは分散投資によってカバーすることが出来て、どのようなリスクに対しては分散投資によってカバーすることは出来ないのか、が重要な論点となってくるわけですね。

 

このような問題に対して資本資産評価モデル(CAPM)という、一つの答えを導いたのがスタンフォード大学ウィリアム・シャープ教授をはじめとする、三人の経済学者です。

 

本文の主張に目を通しながら資本資産評価モデルについて見ていきましょう。

 

資本資産評価モデルの背景にある理論は、分散できるリスクをとっても市場はプレミアムをくれないというものだ。(P302)

 

資本資産評価モデルにおいては、一般的にリスクをステマティックリスク非システマティックリスクの二種類に分解して考えます。

 

ステマティックリスク:

 

 市場全体の変動や、株式全体が他の投資対象との兼ね合いなどである程度同じ値動きをすることから生じるリスクです。これは、分散投資によっては低減できないリスクと言えます。

 

 

非システマティックリスク:

 

 個別企業の不祥事や経営状態などからくる価格変動によるリスクです。システマティックリスクとは異なり、分散投資によってリスクの低減が期待できます。

 

 

引用部で語られていた分散できるリスクというのは、非システマティックリスクのことを指しており、このリスクをとってもリターンには反映されないだろうという主張となっています。

 

つまり、

このモデルでは、リターンの期待は分散投資によって低減できないシステマティックリスクによるものだということになり、非システマティックリスクの範囲におけるリスク低減を果たせていないのは、即ちリターンに関係ないリスクを増大させている馬鹿者であるという事なのでしょう。

 

とるべくリスクとは、システマティックリスクである

 

肝に銘じておきます。

 

β(ベータ)の考えかた

資本資産評価モデルにおいて、もっとも重要な概念はベータでしょう。

 

このギリシャ文字がなにを示してんねん?

 

という点についてはまず本文を見ます。

 

ステマティック・リスクはまた市場リスクとも呼ばれ、個別銘柄やポートフォリオが市場全体の変動に対して反応する度合いを示す。銘柄やポートフォリオによっては、市場の動きに非常に敏感に反応するものもあれば、比較的安定しているものもある。この相対的な変動性、または市場に対する感応度の大きさは、過去の実績に基づいて推計することが可能で、ギリシャ文字のベータ(β)として広く用いられているのである。(P303)

 

資本資産評価モデルにおけるベータとは、簡単に言うとシステマティックリスクを数値化したものになります。

 

例えば、

S&P500などの広範囲な株価指標のベータを仮に1と置き、ある銘柄のベータの数値が2であった場合、これが意味することは、その銘柄の株価は平均してS&P500の株価の2倍の変動が予想されるというものです。

 

ベータの計算は個別銘柄や市場全体のリターンの相関関係を基本にしたものですが、現在は証券会社などが計算して数値を発表してくれているので、覚える必要はないと思います。

 

ともあれ、

資本資産評価モデルでは上記の通り、投資においてとるべきリスクとはシステマティックリスクの事を指しており、そのシステマティックリスクの度合いはベータの数値に依存するという事になります。

 

この概念のエッセンスを簡単に覚えるためにも一つ皆さんに問題です。

 

Q:以下の二つのポートフォリオA・Bにおいてよりリスクの高いと考えられる銘柄はどちらでしょうか?

 

  • ポートフォリオA(ベータ=1、銘柄数60、銘柄は個別・総リスクともに高い)

 

  • ポートフォリオB(ベータ=1、銘柄数60、銘柄は個別・総リスクともに低い)

 

 

 

 

A:どっちも変わらない

 

 

ちょっと問題の出し方がずるかったですかね(笑)

ごめんなさい。

 

今回この問題のポイントはベータの値がどちらのポートフォリオも同じだという点になります。確かに、個別に見ればポートフォリオAの方がポートフォリオBと比べて、リスクの高い銘柄を含んでいます。

 

しかし、

そのリスクはいわば非システマティックリスクの領域なわけで、十分な分散投資が行われることによってそのリスクは低減され、全体のリスクはシステマティックリスクの値に近づいていくと考えられます。

 

今回、システマティックリスクを示すベータの値はポートフォリオA・Bどちらも等しいため、リスクとしてはどちらも変わらないと考えられるわけです。

 

資本資産評価モデルの有効性は?

なるほど~

 

資本資産評価モデルは、分散投資によっては低減できないリスクに着目するもので、それに基づき自分がとるべきリスクを教えてくれているものなのですね。

 

と・は・い・え

 

問題は、その理論が実際どれだけ投資に有効なものなのかなわけですよね。

 

どれだけ素晴らしい理論であっても、「そんなものは机上の空論だろ」って一蹴されてしまうことは珍しい事ではありません。

 

ウォール街のランダムウォーカ―』著者のマルキールさんはもちろんその点についても研究・考察をしてくれています。

 

どのような研究をしたのかは長くなるので割愛させていただきまして、マルキールさんの結論を申しますと。

 

CAPMに重大な欠陥が見つかったからといって、金融分析における数学的なツールを捨て去って、伝統的な証券分析に逆戻りすべきだということにはならないと思う。さらに、私は現時点ではまだベータの死亡記事を書く気にはなれない。(P316)

 

マルキールさんは様々な研究を通じて、計測されたベータの値が個別株式やポートフォリオのリターンとは何の関係がないとも考えられる証拠を様々発見しました。

 

しかし、

だからといって、この資本資産評価モデルを全否定することは避けるべきだと主張しているわけですね。

 

理由としては以下の三つを挙げていました。

 

①安定したリターン:

 ベータの値は将来のリターンの変動性についての予想には有効性を認め得るレベルにあり、変動性の高いリターンよりも安定したリターンを目指すのは投資家として合理的な判断なわけです。

 

②正確なベータ測定が困難:

 ベータを計算する場合には、どのような市場を対象にするのか、またはどの範囲まで要素を考慮するのかなどによって、算出される値にぶれが生じます。ベータの有効性を否定する研究はありますが、有効性を肯定する研究も多く存在しているのです。

 

③役に立つ場面がある:

 ある研究によると高ベータの株式は低ベータの株式よりも大きく下落する傾向が観測されている。とするならば、相場の変動リスクを考える場合では有効な判断材料の一つとして採用できるとも考えられます。

 

 

以上よりマルキールさんは資本資産評価モデルの全面的な反対には至っていないというわけですね。

 

 この第十章では、資本資産評価モデルについての検討がなされてきました。最終的には、このモデルがリスクを考える上での絶対的な指標にはならないとしながらも、一部有効に利用できる場面も存在しうると言っていました。また、第十章の最後ではそもそも絶対的なリスクの尺度などというものは存在しないとも言っていましたね。

 

結局、投資家はどれだけ投資手法が発達しようが、リスク分析の手法が洗練されようが不確実性の存在から脱出することは叶わないのでしょう。

 

何百年も昔、星の位置を頼りにおおよその進路を導いた勇敢な航海士のように、投資家も自分の知力と勇気を信じて、投資という大海原を悩みながらも進んでいくしかないのでしょう。

 

まとめ

・システマティックリスクを考えよ

 

・資本資産評価モデルは万能ではない

 

・そもそも万能なリスク尺度などない

 

・自分が信じられる武器を正しい機会に使えるように

 

ここまでお読みくださりありがとうございました。

 

 

 

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『ウォール街のランダムウォーカ―』備忘録⑨第九章(新しいジョギングシューズ)

皆さんこんにちは。

 

この記事は『ウォール街のランダムウォーカ―』第九章(新しいランニングシューズ)の備忘録になります。

 

備忘録①は以下よりどうぞ!

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ウォール街のランダムウォーカ―』第九章では現代ポートフォリオ理論について説明がなされています。どのようにリスク低減を図っていけばいいのかについて良いヒントが得られるといいですね。

 

ちなみに、現代ポートフォリオ理論については過去に書いた記事があるので興味のある方は是非!!

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ハイリスク=ハイリターン?

 投資に興味がない人であっても、ハイリスク・ハイリターンの原則を常識として知っている人は多いことでしょう。実際に、投資の観点から言っても銀行の定期預金はローリスクではありますけれど、金利はかなり低くローリターンです。対して定期預金よりもハイリスクな株式は、より高いリターンを実現していますね。

 

しかし、

これはどのような場合においても成立するような原則なのでしょうか?

 

いいえ、違います。

 

むしろ、

リスクがある投資対象を分散投資に組み込むことで、リターン増加とリスク低減の両方を実現することが出来る場合もあるのです。

 

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上の図を見てください。この図は横軸にリスク、縦軸にリターンをとったものになります。もちろん、この図からではボラティリティーが投資リターンの方向(正負)に直接相関するよう数学的な条件付けは出来ませんが、ボラティリティー上昇時に損失が発生しているということはわかります。 

 

要は、

必ずしもリスクの大きさとリターンには正の相関があるとは言えないという事です。これがどういう意味か分からない方は単純にリスクが大きくなるからといって、リターンが増えるとは限らないと考えていただければ結構です。

 

それ故、

ハイリスク=ハイリターンという方程式は必ずしも成立するわけではなく、むしろリスクの低減とリターンの増加は一定程度両立が可能であるという事になるわけです。

 

では、

どのようにしてリスク低減とリターンの増加を考えていけばよいのでしょうか?

 

その答えの一つが『ウォール街のランダムウォーカ―』第九章で取り上げられている現代ポートフォリオ理論(MPT)と呼ばれているものです。

 

現代ポートフォリオ理論とは(MPT)

現代ポートフォリオ理論とは、債券や株式などの証券にどのように投資していけばいいのかを考えるための超基本理論です。MPTは経済学者のマーコウィッツによって提唱され、その業績から彼は1990年にノーベル経済学賞を受賞しています。

 

より詳しく現代ポートフォリオ理論とはどのようなものなのか、本文に沿う形で見ていきましょう。

 

現代ポートフォリオ理論は、私の妻と同様、すべての投資家はできるだけリスクを回避したがるものだと言う前提に立っている。(P287)

 

マルキールさんが言っているのは、いわゆる平均=分散アプローチの事ですね。

 

平均=分散アプローチとは、投資家は債券や株式の投資収益率(リターン)の期待値と分散(リスク)の二つの指標に基づいて意思決定をするという考え方で、具体的には以下の二つのルールに基づき意思決定をするものと考えられます。

 

ルール①:

 リスク(分散・標準偏差)が同じ場合は、よりリターン(期待値)の高いほうを選択する。

 

ルール②:

 投資のリターン(期待値)が同じ場合は、よりリスク(分散・標準偏差)が小さい方を選択する。

 

 難しい考え方ではありませんね。

 

分散投資によるリスク低減効果

投資家はリスクを回避する性質があるという前提に立つなかで、ポートフォリオを組み分散投資をするもっとも大きなメリットは、まさしくリスク低減にあります。

 

ではどうして分散投資をすることがリスク低減につながるのでしょうか?

 

それは、

ポートフォリオ内の各証券それぞれの期待リターンを分散投資による投資割合で加重平均した値とポートフォリオ全体の期待リターンは等しくなるが、ポートフォリオ全体の標準偏差は、ポートフォリオ内の各証券の標準偏差の加重平均以下になるからです。

 

ん?どゆこと?

 

となってしまった方、安心してください。

 

こういう数学的な計算は賢い学者やアナリストにお任せするとして、一般人の私たちはその結果をただ理解すればいいのですから。

 

具体例を出します。

あなたの目の前には、銘柄A銘柄Bという二つの株式が存在しています。この株式は期待リターンがどちらも20%で、リスクは50%です。つまり、2分の1の確率で20%のリターンがもらえるか、紙くずになるかということですね。

 

この時、

あなたが銘柄A、もしくは銘柄Bのどちらか一つに全資金100万円を投入したとしたら、あなたは100万円を50%の確率で失うことになります。

 

しかし、

仮に、銘柄Aと銘柄Bに50万円ずつ分散して投資した場合、あなたが100万円を失う可能性は、銘柄Aと銘柄Bの両方のリスクが実現した時であるので、25%となります。

 

そして、

この時一番重要な点というのは、100万円失う確率が下がっているのにも関わらず期待利益は全く変化がないという事です。

 

集中投資の場合:0.5*0+0.5*20=10

分散投資の場合:0.25*0+0.25*20+0.5*10=0+5+5=10

 

つまり、

上の小難しい説明で言っていたことは、

 

分散投資には期待リターンを変えずにリスク低減を達成する力がある。

 

という事です。

 

本文中の言葉も見てみます。

 個別の会社の業績が全く同じように動かない限り、分散投資は常にリスクの低下をもたらす。~中略~実際にはこの例のようなきれいな形ですべてのリスクを除去することはできない。それでも、すべての企業の業績が常に完全に同じ方向に動くわけではないから、株式のポートフォリオを組んで分散投資をすれば、一つや二つの証券に投資するよりもリスクは小さくなるだろう。(P290)

 

適正な分散比率とは?

言い換えれば、分散投資がもはやリスクを減らす魔法の杖とはならない境界点があるのだろうか。多くの研究が示すところでは、答えは圧倒的に「イエス」である。(P292)

 

分散投資にはリスク低減の効果があることはわかりましたが、それでは見境なく分散し続ければリスクは低減し続けるのでしょうか?

 

マルキールさんが指摘している通り、そうではありません。分散にも適正な分散の割合が存在しているというのが一般的な意見です。

 

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画像引用元:CAPMの詳しい図解!ポートフォリオ理論で分散投資を勧める理由

 

上のグラフから見てもわかる通り、A資産だけに投資した地点からB資産の割合が増加するにつれ、しばらくの間はリスクの低下とリターンの増加の両方が見られます。しかし、リスクが5%程度にまで低下したところで、リスクは再び上昇をし始めていることが分かります。

 

もちろん、

どの程度のリスクでどの程度のリターンを目指すのかは個人の裁量によるところではありますが、分散投資のリスク低減にも限界があるという事は頭にいれておくべきでしょう。

 

ウォール街のランダムウォーカ―』本文中では、モルガンスタンレー証券のデータを用いて、アメリカ株とEAFEに含まれるアメリカ以外の先進国株式の分散投資について調査されていました。結果としては、EAFE株24%、アメリカ株76%の時が最もリスクが低くなり、以降EAFE株式の割合が増えるほどリスクは上昇していました。

 

これらのデータは古いものなので決してこの割合で投資しようなんて思わないでくださいね。ただ、国際分散投資の有効性を確認するにおいては十分な根拠となっているのではないでしょうか。

 

まとめ

ウォール街のランダムウォーカ―』第九章では現代ポートフォリオ理論の大枠を見るような内容でした。どのようにこの理論を用いるべきかや、実際に組み入れる対象についての考察は後の章に渡されていましたね。ともあれ、現代ポートフォリオ理論はリターンとリスクの考え方に大きな影響を与えてきたことがよく理解できました。特に、分散投資のリスク低減には限界があるという点については忘れないようにしておきたいですね。

 

本日は以上です。

ここまでお読みくださりありがとうございました。 

 

 

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